デジタルコンテンツグランプリ2001「優秀賞」受賞  
      このツールが必要となった、私の体験を紹介します。  
      DCAJ優秀賞受賞  
         
      町内会 子供会役員(育成部長)を引き受けて  
         
      育成部長を  
       1996年、日々の日常業務も当たり前に忙しい日々でしたが、自分の住んでいる町内会では子供会の会長・他役員は小学校6年生の親が受けることになっていて、自分も子供が2人いて6年生になっていたので子供会役員(育成部長)を引き受けることにしました。子供会員の人数だけでも百人以上もいるマンモス町内会で、子育てに熱い思いを持つ方々5人が役員として参加してくれました。

 まず最初に行うことは1年間の行事日程を組むことで、3月末のわずかな期間に1年間分すべての行事日程を組まなくてはいけませんでした。

 
       

子供会の行事は野外で行う行事が多いので、「統計的に晴れがちな日を知りたい」という動機で、過去の天気を数十年分まとめて統計的に見ることが出来るWEBサイトやソフトウェア等を探しました。「ある日の"天気"を過去数十年分をまとめて見れば、その日が晴れがちか雨がちかがわかるのはず」という単純な発想でした。しかし、WEBサイトにおいて単年で提供されていたものがいくつかありましたが、私が必要としたような「2週間以上先のお天気が統計的にわかる、過去天気をまとめて見れるもの」はありませんでした。(その当時の私は、「天候ダイヤグラム」の存在を知りませんでした)1年間分の計画なので週間天気予報ではまったく間に合いません。「とにかく参考に出来る何かが欲しい」と思っていたので、「無いのならば、必要なので作る!」という必要性と若さにかられて開発を始めました。当時の世間一般の情勢としては、過去天気の利用に関する関心は低く、「過去天気なんて 何の役にたつの?」と言われることもある時代で、もっとも、これが世間一般の当たり前の認識だったのだと思いますが、とにかく必要なので、まず最初にソフトウェアの構想から始め、気象庁が販売する気象データCDを10年分購入し取りかかりました。

 
       

そうして開発を始めたのですが、早速大変な苦労に直面します。それはデータベース作りです。気の遠くなるような壮絶な作業が待っているとは想像もしていなかったからです。「地獄の1丁目が大口を開けて待っていた」、という表現が大袈裟では無く、正にピッタリでした。この部分の紹介は多少長くなりますので、関心のある方は最後の部分に置いている「誕生物語」をご覧ください。気象業務に従事されている気象庁職員の方々に、敬意を払うと同時に改めて感謝いたします。


 そうこうして、とりあえずの最初の一区切りのものが完成するまでに 3年+αかかりました。

気象CD  
         
        この間、大好きなアウトドアや山登り、スキーに行く事も控え、家に帰ってきてから 、ほぼ深夜12時まで体にムチ打って開発に取り組んできた成果なので、その喜びはひとしお大きなものでした。
お天気メモリV2.3  
         
         
       この完成の節目を機に、「何やらコンテストがあるので応募してみよう」と、とりあえず応募してみました。そのコンテストは、デジタルコンテンツ協会主催、経済産業省共催の「デジタルコンテンツグランプリ2001」というコンテストで、その「新しい才能の部」に出品しました。審査のため 東京銀座電通第3ビルに出向き 各界の専門家の先生方が居並ぶ中でプレゼンテーションを行ってきました。その1ヶ月後、結果なんと、応募総数136組、「新しい才能の部」の出品総数40組の中において、「ビジュアルお天気メモリ」(現ツールの母体)が、思いもかけず「金の翼賞」、「銀の翼賞」に次ぐ「優秀賞」(5組)をいただくことになりました。贈賞式が、東京青山テピア(鉄鋼会館)において行われ、他の部も合わせ、NTTコミュニケーションズ技術チーム・ソニー銀行技術チーム・NHKのCG制作チーム・スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫氏の他、蒼々たる出展企業の受賞者がNHKのアナウンサーの司会進行で受賞する、その同じ壇上にての受賞となり、正にビックリの受賞で「晴天の霹靂」でした。子供会の行事で「統計的に晴れがちな日を知りたい」という単純な動機のソフトウェアが、まさかこのような大きな賞をいただくとは夢にも思っていなかったので、本当に嬉しく思いました。  
         
      デジタルコンテンツグランプリ2001表彰者一覧  
      https://ssl.jp-benas.co.jp/digicon/grandprix_news_0001.html  
         
      贈賞式紹介  
      https://ssl.jp-benas.co.jp/free_9_18.html  
         
      地元十勝毎日新聞社による報道Web版  
      https://ssl.jp-benas.co.jp/netshop_web_jp-benas/etc_page/kachimai_news_web_20020309.pdf  
         
       その後、このソフトウェアはDCAJグランプリ事務局からの働きかけ推薦もあり、インプレス社 窓の杜、Vector社、ソフトニック社、各種雑誌社等の大手メディア各社から大々的な紹介をいただき、大きな反響をいただくようになりました。以下に往時の紹介サイトを、各社のページをお借りして紹介します。  
         
      窓の杜  
         
      厳選ソフトのみを紹介する「窓の杜」、第1回目、最初のレビュー 2003/02/19  
      https://forest.watch.impress.co.jp/article/2003/02/19/visualotenki.html  
         
      「窓の杜」レビュー、第2回目 2003/07/02 の紹介ページ  
      https://forest.watch.impress.co.jp/article/2003/07/02/dogubako89.html  
         
      「Vector社」でも何度も紹介をいただきました 2003/03/24 レビューサイト  
      http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/030322/n0303224.html  
         
      Vector人気・注目度順ランキング  
         
      「Vector」人気・注目度順ランキング  
      https://ssl.jp-benas.co.jp/digicon/Download%20-win-home-other-.htm  
         
       上記のように様々なご紹介をいただいていたため、Vector社でのダウンロード数が1日数千本以上というような日が多数あり、公開3ヶ月後にはVector社の「定番ソフト」の仲間入りをさせていただき、その定番ランキングでも、定番人気順第1位の座を何度もいただきました。気象庁の部内広報でもご紹介をいただきましたし、全国のユーザーの方からも感謝や激励のメールを多数いただきました。「気象の過去データに命を与えた」とも評されました。各種の雑誌にも多数掲載されました。また、2009年には マイクロソフト社よりBizSpark特別開発会員の特典の恩恵に預かりました。2011年には、ソフトウェアのミシュランガイドとも言われるヨーロッパのソフトニック社より、星9個の高い格付けをいただき、そのソフトニック社が日本法人サイトを開設する際には、最終30万本のソフトを掲載する予定の中での最初の千本の1つに選定されました。  
         
      ミシュランガイド 星9個  
         
      ソフトウェアのミシュランガイド、ヨーロッパ ソフトニック社の日本進出  
      https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/412969.html  
         
      ソフトウェアのミシュランガイド 星9個の格付 ★★★★★★★★★  
      https://ssl.jp-benas.co.jp/digicon/Michelin_Guide_rating_9stars.jpg  
       (上資料は画像としてご覧ください)  
      星9個の格付けをし  てくださった担当者  
       ※ 上の資料は、ソフトニック社日本法人で、このソフトウェアに星9個の格付けをしてくださった担当者の評価です。この方もコアユーザーの方と思われます。  
         
       その後もVector社でのダウンロードは続き、ソフトウェア世界のミリオンセラーとも言える絶大な人気と評価を全国の皆様からいただくこととなりました。この時代にいただいた感謝や激励のメールから、実に様々な方々が自分と同じように「統計傾向」の知見を 必要としていることを知りました。  
         
       「町内会の役員をしているので…」、「小説を書いているので…」、「釣りキチで暇さえあれば…」、「実に面白い…」、「早速、結婚式の日取りを見てみます…」、「飛行船愛好家です…」、「夏のキャンプ予定を…」、「家族で外出する際に…」、「過去の天気を調べなくてはならなくなった…」、「○○県で農業を…」、「農業に役立てたい…」、「小麦を栽培している農家…」、「恵みの雨の情報が必要…」、「待っていたソフト。山歩きに必携。」「過去天気データに命を与えるソフト…」、「雪国なので…」、「見えない晴れ度を可視化した…」   
      等々、これらはその一部です。  
     

 全国の方々が「統計天気」の知見 を必要としている、そういう大きなニーズを実感したメール群でした。

 また、このソフトウェアの紹介の ために、個人のWebページを制作し紹介してくださっている方も数人おりました。

 これらが励みとなり、毎年新しいデータを追加してフリーソフトとしてずっと提供してきました。多様なグラフ表示をする機能の原型も、この時代に多く誕生しました。「晴れ度」の考え方もこの頃に誕生しました。

 英語表記版の構想を持ったのもこの頃でした。この統計天気のソフトウェアで、人と人や、人と地域をつなぎ、地域を活性化し、日本と世界をつなぐ役割も果たせる事に気づいたのもこの頃でした。

 
       この統計天気のソフトウェアが、特殊な世界のものでは無く私たちの身近にあって当たり前のトンカチやノコギリの道具と同じように身近な道具にしたいと思うようになりました。自分が目指してきた「一村一品」「地域活性化」の社会貢献とはこれかも知れないと気づき、自分のライフワークとなったのもこの頃でした。その後の時代の激変の中で、このツールは抜本的に新しい言語C#に移植する必要に迫られ、2012年から2023年まで改良に専念しました。画期的なインターフェースの「晴れナビ」が誕生したのは2016年のことでした。米国Microsoft社の最新SQLiteデータベースシステムを導入したのは2020年のことでした。米国PreEmptive Solutions社のDotfuscator難読化処理システムや、米国Flexera社のInstallShieldインストーラシステム、米国Digicert社のデジタル証明書を導入したのは2020年のことでした。過去天気の推移からこの先の空の推移の知見を得る「7日間空読み」が誕生したのは2021年のことでした。そして、「お茶の間 お天気カレンダ 」や「みんなの お天気カレンダ 」が誕生したのは2023年11月のことでした。こうして数々の改良を果たして一区切り付きましたので、2024年に提供を再開しています。これらの経緯は「誕生物語」にまとめています。長文ですので、時間のある時にお読みいただければ幸いです。  
         
      誕生物語:URL:https://ssl.jp-benas.co.jp/earth/birth_history_complete_ed.pdf  
         
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